2011年04月24日

ATFの良否判定

オートマオイル

お客さんからオートマオイルの交換について聞かれたので、書くこともないからこの機会にまとめてみようと思います。
あるお客さんは、スタンドで、
「オートマオイル、このまま交換しなし乗り続けるとミッションがこわれるので換えたほうがいいですよ」と言われ、交換した。距離は2万キロぐらいだったと思います。
もう一人のお客さんは、ディーラーで、
「オートマオイル交換してほしいんだけどと依頼したら、汚れが酷いので交換できない」と言われ、断られた。距離は6万キロぐらいだったと思う。
どちらも、壊れる可能性について言っているのだが、実際のところどう思いますか?
前者は言っていることは間違っていないとは思うが、かなり突っ込んだいいかたのような気がするし、後者は、ちょっと無責任な言い方のような気もする。
じゃあどうやって言うのが一番判りやすいか考えた結果、やっぱサンプリングをとって説明するのが一番じゃないかと思う。

ATFの良否判定

上の画像、左から新油・4万キロ・10万キロ無交換のオイルである。
オートマオイルの判断方法は、色による判定方法しかないのですが、

ATFの良否判定

新油のうちは、見てもらっても判るように、透明度の高い赤色である。
これは、単純に他のオイルと間違えないように着色しただけに、この色が基準色となるので覚えておいてほしい。

ATFの良否判定

次に、4万キロ走行後のオイル(褐色の場合)。

これは、オートマオイルを長期間使用していた場合やAT自体過酷な条件で使用した場合になる。
ここで言う過酷な条件とは、ATF自体長い高温状態にさらされた場合(渋滞時など)だと思ってくれればいいと思います。
このレベルで気付けば、オートマオイルを交換すれば解消できるのでセーフレベルです。
色の感じはと言いますと、車により違うので表現が難しいですが、赤色がややあせた感じです。

ATFの良否判定

次は、10万キロ走行後のオイルです(黒い)

オートマオイルが黒ずんでくる場合は、AT内部のクラッチディスクの摩耗やブッシュ・ギア関係の摩耗が考えられる。
おそらくこうなると、超ヤバイレベル
交換してもしょうがないのでそのままにしたほうがいいと思われる。
ただ、交換できないこともないので書いときます。
こうなった場合、オイルパンを取り外し、中の金属粉を取り除き、オイルストレーナを掃除して組み付け。
しばらく、経過を見てよければいいが、駄目ならミッションが滑ってくる・・・
いわゆる、賭けでございます。
ちなみに、これは廃車になった車のオイルを拝借しました。

じゃあなんで、オートマオイルは劣化するのか??
と、思いの人のためにATFが劣化する要因として代表的な例を三つあげてみます。

①エンジンのオーバーヒートや過酷な使用状態による油温上昇
②AT内部の油圧多板クラッチのすべり
③AT自体の長期間による劣化

慢性的な劣化もあるが、渋滞によくはまりDレンジでちょろちょろ運転している場合でも油温など上がるので注意してほしい。
油温が上がると酸化し、酸化するとスラッジがでてクラッチの摩耗につながります。

じゃあ、オートマオイルは何キロで交換すればいいのかというと、これまた難しい。
結局、走行距離の判断ではなく色の判断しかできないのでは・・・。
ただ、私の場合だが二回目に交換するときの目安としては4万キロを現走行距離に足してステッカーを貼らせていただきます。

この記事をよんでくれた人には、
適正な判断をしてオイルを交換していただければ、幸いです。
何でも交換を勧める世の中、換えすぎる必要はないと思います。

ATFの良否判定

我社ではワコーズのハイパーSを勧め交換しております。
もしよろしければ、この機会にどうぞ宜しくお願いします。

長島Jrより




















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